鷹の爪の垢を煎じて飲む ~sideR~

群馬県の片隅から書き綴る、軟らかめのブログです。「R」には鉄道の“R”ailway 、福岡Yahoo!Japanドームや西武ドーム、クリネックススタジアム宮城での“R”ight stand .....といった意味が込められてます。堅めのブログは「sideL」にて。

衆議院選挙の結果を受けて

去る16日に行われました第46回衆議院議員選挙でしたが、皆様ご承知の通り、自民党の圧勝劇に終わりました。
選挙の前からこうなる予測は出ておりましたので、順当といえば順当でしょう。
しかしながら民主党政権にNOを突きつけたとはいえ、これ程の結果になろうとは・・・・・・正直なところ、想像以上でありました。
“アンチ自民”を自認している私としましては、自身の心の中を落ち着かせるのに少々時間が掛かってしまった訳で。ハイ。

で、選挙翌日の記事。

小選挙区の宿命 自民得票4割、議席8割東京新聞

 第四十六回衆院選は十七日午前、開票作業が終了し、小選挙区(定数三〇〇)と比例代表(定数一八〇)の計四百八十議席が確定した。自民党小選挙区全体の得票率は43%程度だったにもかかわらず、獲得議席は二百三十七と全議席の79%を占めた。また、総務省小選挙区の確定投票率は59・32%だったと発表。衆院選の戦後最低記録で、前回二〇〇九年(69・28%)から約10ポイント下落した。
 衆院選投票率は現行の小選挙区比例代表並立制が導入された一九九六年の59・65%が戦後最低だったが、それを下回った。東日本大震災後、初めての大型国政選挙だったにもかかわらず、乱立した十二政党が原発政策などで主張の違いを明確に示せず民意の受け皿になりきれなかった。
 戦後の投票率は60%台後半から70%台後半で推移。九六年の現行制度導入後は三回続けて60%前後だった。二〇〇五年の郵政選挙と、民主党政権交代した〇九年は60%台後半に盛り返したが、再び低下に転じた。
 各党の獲得議席は、三年ぶりに連立政権を組むことになる自民党が二百九十四議席公明党が三十一議席。政権から転落する民主党は五十七議席で、九八年の結党以来、最低に落ち込んだ。
 自民党比例代表の獲得議席は惨敗に終わった〇九年の五十五議席から二議席増えただけにとどまった。民意を反映する比例代表での議席獲得が伸び悩んだことは、自民党有権者の積極的支持を得ていないことを物語っている。
 各党の比例代表の獲得議席は自民五十七のほか、日本維新の会四十、民主三十、公明党二十二、みんなの党十四、共産党八、日本未来の党七、社民党一、新党大地一。維新は獲得議席全体では第三党だが、比例代表では第二党となった。

 http://www.tokyo-np.co.jp/article/shuin2012/all/CK2012121702100030.html

東京新聞の記事より引用したのですが、見出しとして付けた『小選挙区の宿命』というフレーズがなんともシュール。
どこか編集者の苦心がありありと伺えるような気がしてならないのです。

そしてこんな記事も。

衆院選:得票率と獲得議席に大きな乖離毎日新聞

 今回の衆院選小選挙区に出馬した自民党候補は、300選挙区の有効投票総数のうち43%の票を得たのに対し、獲得議席数は300議席の79%にあたる237議席と大勝した。一方、民主党は有効投票総数に占める総得票率が22.8%だったが、300議席の9%にすぎない27議席しか獲得できなかった。得票率と獲得議席に大きな乖離(かいり)が生じ、各選挙区で1人しか当選しない現行の小選挙区制の特徴が改めて浮き彫りになった。
 今回の衆院選小選挙区の有効投票総数は約5963万票だった。日本維新の会の得票率は11.6%で、300議席の4.7%の14議席を獲得。今回最多の299選挙区に候補を擁立した共産党は、得票率7.9%に対し獲得議席はゼロだった。
 小選挙区は比例復活を除けば1人しか当選しないため、落選候補に投じられた票の多くが民意を議席に反映しない「死票」になる。候補9人が乱立した東京1区は得票率29.3%の自民党候補が当選し、落選候補の得票割合は計7割に達した。
 09年衆院選をみると、民主党は得票率47.4%で7割を超える議席を獲得。自民党も「郵政解散」の05年衆院選で、得票率47.8%で同じく7割超の議席を得ており、選挙制度が選挙のたびに結果が大きく振れる一因となっている。【朴鐘珠

 http://mainichi.jp/select/news/20121217k0000e010344000c.html

現行の小選挙区制の弊害は随分と前から言われているのですが・・・・・・・今回もそれが如実に表れた、ということでしょうか。
1選挙区に対して、当選者は1名というのが現行の小選挙区制の基本。
落選候補に投じた票はどうしたって『死票』になってしまいます。
そして上記の記事にある“選挙制度が選挙のたびに結果が大きく振れる”、考えてみれば前回(2009年)の民主党大勝劇でもそうでしたし、前々回(2005年)のいわゆる「郵政選挙」でもそうでした。そして今回もまた再び。
選挙の度に大きく振れる。“民意”とはなんといたずらな存在なのか。


比例の結果から“民意”を読み解く

そんな中、Twitterタイムラインを読んでおりましたら、こんなツイートが目に留まりました。

Twitter @mitsuru_kuroda
議席比例代表なら議席配分がどうなるかを再度計算してみました。NHKによる比例代表の得票率(開票率95%)を480議席に単純にかけると、民主77、自民134、未来27、公明58、維新99、共産29、みんな41、社民11、国民1、大地3となります。小選挙区制の弊害はあきらかです。

 https://twitter.com/mitsuru_kuroda/status/280362058824941569

選挙制度が完全に比例代表の場合だとどうなるか、というシミュレーションです。
まぁこのシミュレーションになったとしても、自公維新に協力を持ちかけての連立政権になるのは目に見えているのですが(汗)
開票速報を伝えていたラジオ番組での、自民圧勝を伝える中で「有権者自民党の政策に白紙委任したわけではない」という司会者のコメントが印象に残っているのですが、比例代表の結果で読み解いてみますと、いわば“消去法”で選ばざるを得なかった有権者の思いがにじみ出ている感があります。

一応自分でも検証してみようかと思い、3大票田である東京、南関東、近畿の3ブロックに絞って結果を見てみることにしました。


3ブロックの平均で見ますと、維新の会が約24%で第2党に躍進しているのですが、実は関西地区で大量得票を得た上での結果であり、全国的な平均は大体20%前後、と見ていいでしょう。
自民党小選挙区で圧勝しましたが、比例で見ますと得票数の4分の1を占めるにすぎない(自民支持者が、比例区公明党に票を投じるという選挙協力は十分に考えられますが)。
他の政党も、割合的にはどこも似たり寄ったり。
みんなの党の場合、もしかすると維新の会に票を食われた可能性がある。
未来の党はやはり出遅れが最後まで響いたのでしょう、有権者に支持を取り付けるのが難しかった。
今回は致し方ないところもありそうです。次回の国政選挙以降で真価が問われそうですが。

こうして考えると・・・・・・有権者の民意というものは、結構揺れ動く存在なのかも知れません。
そしてやっぱり「無党派層」の意向が、今後の選挙においてもカギになる事は間違いないようです。
来年には参議院選挙も予定されておりますし、それまでの間に各党の政策をじっくり精査する必要性はあるように思います。

・・・・・・・・・・・なんかまとめになってないのかも(滝汗)